フランスの美女
2016,03,13 | ブリア サヴァラン
フランス料理を提供しているお店でデザートの前に必ず聞かれるのが、チーズです。
アルテリーベでも、いろいろな種類のものをご用意してお出ししております。
フランス料理には欠かせない存在で、各地方にこだわりの美味しいものがたくさんあります。
でももう少し掘り起こすと、チーズは美味しいからというだけでなく、フランス料理という看板を出している以上必ず出さないといけないものなのです。
18世紀に遡りますが、フランスの有名な美食家でBrillat Savarinブリアサヴァランという方がおられて、Physiologie du goût 「味覚の生理学」という本を書いていて、その中にチーズについて格言が記されています。
“Un repas sans fromage est comme une belle à qui il manque un oeil.”
「チーズのない晩餐は、片目のないみた美女みたいなものだ。」
日本人からすると、非常にショッキングな表現ですが、それほどフランス人の目から見ると、晩餐にチーズは外せないということなのです。
この文を読んだことのある料理人は、チーズを出さないわけにはいかないですよね。
アルテリーベでは、両目パッチリのフランスの美女を(チーズを)ご用意してお待ちしております!
Secession 黄金の月桂樹
2016,02,19 | 内装:Secession
アルテリーベの柱に描かれた黄金の月桂樹は、ウィーンの分離派をモチーフにしています。さらに詳しく述べると、ヨゼフ マリア オルブリッヒという分離派の建築家が建てたウィーンの分離派美術館の模様を使用しています。クリムト共にこの芸術運動をウィーンで推し進めた偉大な芸術家です。この月桂樹の模様は、建物の外壁と屋上の金の球体に使用され、当時ウィーンでは前衛的で奇抜だと思われ、「金のキャベツ」と言われたそうです。
アルテリーベでは、その月桂樹の模様をコーナーの入口の磨りガラスにも使っています。
実はアルテリーベを作った時に月桂樹で仕掛けを考えました。
磨りガラスの月桂樹の間に柱の月桂樹を重ね合わせ、月桂樹が繁っているようにみせようと思い、コーナーの入り口から入ると磨りガラスの模様と柱の模様がきれいに重なって見えます。そしてその裏のキッチンの窓ガラスには、月桂樹の手作りのステンドグラスを組み込んでいます。(誰も気づいていないかもしれませんが…)オルブリッヒさんが蘇ったらこんな風にデザインを考えるのではないかという思いで作り上げたオマージュです。
コーナーの入り口はランチタイムに使用しているので、今度是非月桂樹に注目してみてください!
築地市場
2016,02,14 | 食材について
今日も朝から築地。狙いは旬の筍と活きた若松葉蟹。この蟹本当に美味い。
写真撮らなかったのでお店でどうぞ!
それにしてもこの風情のある築地も移転まであとわずか。場外市場も新しくなるそうですが、豊洲も場外市場も青写真には全く風情がないんですよね。なぜ築地に飲食店主の買い出しだけでなく、こんなに観光客が訪れるのか、都の職員にも気づいていただきたい。それは日本一の市場には、風情があり人情があるから。横浜市場も行ったことがあるのですが、段ボールがたくさん並んでいるだけで、小売りを専門にした仲卸が少ししか見当たりません。こだわりのお野菜は格段に少ないんです。おそらく豊洲も段ボールが並ぶ無機質な市場になるような気がします。外国人から見て東京1、2を争う観光スポットが消滅してしまうという危機感はなく、移転だけが進行しています。場外も空き家がぽこぽこと出始め、ラーメン屋に変身したりしているのは寂しい限り。築地専用のターレーも無くなってしまうのかな?あー残念無念。石原さん、歴史ある文化消滅の危機じゃないですか?
Saint Valentin
2016,01,29 | パティスリー
今年のアルテリーベはヴァレンタインも本気です。
4種類のチョコレートをご用意したので、一つずつご紹介いたします。
まずはザッハートルテ。直径9㎝の3号サイズのバレンタイン特別仕様です!
自家製のアプリコットとザッハー生地が重なり、しっとりと大人の味わいに仕上がっています。
ぜひ、大切な人と素敵なバレンタインをお過ごしください。
Kleine Sacher Torte
ザッハートルテ 1,800円
おつぎは、 ボンボン・ショコラです。種類のショコラ詰め合わせ
バニラ風味のトリュフチョコ、コーヒー風味のガナッシュ、サクサクのクロカンを纏ったチョコレートです。包装も赤のヴェルヴェット調で大人のカラーです。
Les Bonbons chocolats ボンボンショコラ 1,800円
1965-2016
2016,01,05 | Introduction
50ans d’anniversaire!
明けましておめでとうございます!
新年もカウントダウンパーティとともに明けてあっという間に時間が過ぎ去っていきました。
2015年は、実は創業から50年目の年でした。半世紀もの間続けてこれたのも皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
とは言っても、私が父の店を引き継いでリニューアルしたのは、2000年でまだ15年です。父の作ったアルテリーベの歴史の半分に満たないです。
以前の本町通りの店舗から移動し、蔦の蔓延った旧商工奨励館が見事に修復保全を終え、2000年に歴史的建造物として輝きを増した場所に移り、そこにふさわしい店作りをするためにウィーンから現存するウィーン工房を招き、建物の建立当時のデザインに内装を作りあげました。15年前の私は、100年の計と豪語しておりました。歴史に残るレベルのデザインは、普通のレストランやホテルが考えるような数年毎にリニューアルする必要がなく、時を経るごとに味わい深くなると。
そして15年後の私はもがいております。実は、今のアルテリーベはその潜在的な力をまだまだ出し切れてないのではないかと。15年前に考えられていなかったデザインの細部を突き詰め、お料理にも精進して力を入れて、全方向に進化していかないと行かないと深みは増しません。幸い新しいスタッフも定着して進化していく息吹も感じられます。
今年のアルテリーベ深みを増しながらも攻めて行きます。本年も宜しくお願い申し上げます。
株式会社アルテリーベ
代表 日比生 猛