水上飛行艇の名残りを訪ねて…
2013,07,16 | Introduction, エトセトラ…
ミラノで開催されるウェディングドレスのフェアでドレスを買い付けのあと、最終日にミラノから家族と合流してマッジョーレ湖に行ってきたときのお話です。
ところで宮崎駿の映画の「紅の豚」皆様ご覧になったことはありますか?私の好きな映画の一つです。何がいいかというと、フランス語の吹替えで主人公にジャンレノを起用しているなどもいいのですが、何よりもあの紅の飛行艇が史実をかなり忠実に再現したものだからです。マッジョーレには、水上飛行艇は飛んでいませんが、今も水上飛行艇の痕跡は残されているのです。
映画の中では、女性を賭けて飛行艇で決闘するというのがクライマックスシーンなのですが、史実では1920年代から30年にかけて、シュナイダートロフィーという英米仏伊の4か国国別対抗の水上飛行艇のスピードレースが行われています。当時オリンピックゲームもなかった時代での国別対抗戦は、国旗発揚にもなり相当熱狂の渦に包まれたようです。まさに空と海のF1です。
水上飛行艇は、当時は次世代の移動手段とも考えられていました。最も早く移動できる手段だったことに加えて滑走路もいらずに気軽に湖、海に着水できる利点は、まさに理想の移動手段で、そしてレースに出場するパイロットたちは、英雄であこがれの的であったのです。
紅の豚では、設定がアドリア海になっているのですが、ジーナのレストラン付邸宅は、マッジョーレ湖の島だったのではないかと私は勝手に思っています。マッジョーレには観光船が行きかう島が3島あり、イゾラベッラやイゾラペスカトーレ、イゾラスペリオーレがあり、ベッラやスペリオーレは、ジーナのレストランのある島の邸宅に非常に趣が似ています。
そして、マッジョーレのストレーザという街には、なんと今も現存する”水上飛行艇のリストランテ”が存在するのです。ここは、ロープウェーの発着場に併設したリストランテというよりカフェみたいな場所で、ロープウェーで登れば、湖を山の上から見晴らすにも最適な場所です。今から7,80年前は、水上飛行艇がよく着水してパイロットたちが休息に来ていたそうです。そして、ポルコロッソも?ここに来ていたかもしれませんね…
水上飛行艇の話がなくても楽しい避暑地ですが、こんな空想に耽りながら愉しむのもまたおつなものです。