至高のブルーチーズ
2010,04,29 | チーズのあれこれ
今日はオーストリアのクラッハーというチーズをご紹介いたします。
ウィーンのチーズが考えた貴腐ワインに漬けて発酵させた、甘い香りと余韻が続く高貴なブルーチーズ。
オーストリアワインのインポーターのテッシュさんに頼んでリヨンに送っておいてもらいました。
それをはるばるアルテリーベまで!
帰国時はちょうどアイスランドの火山噴火の影響で空の便は大混雑でしたが、私は直後の4月22日にキャンセルを免れ無事帰国できました。
皆さんアルテリーベにお越しの際は是非味わってみてください。
19世紀後半のハプスブルグの食卓
2010,04,29 | お料理
今日は19世紀後半のウィーンの貴族たちは何を召し上がられていたのか、当時の文献をご紹介したいと思います。
以下が1875年6月12日に供せられたフランツジョゼフ皇帝の晩餐会のメニューです。
Diner du 12 Juin 1875
Sherry
Potage à la crême d’asperges
Margaux
Ecrevisses à la Bordelais
Bündesheimer
Saumon, sauce hollandaise au beurre ravigote
Pièce de filet de boeuf à la jardinière
Champagne
Cailles farcies à la Royale
Filets de chevreuil à la Prince Regent
Sorbet
Lafite 1864
Poulardes de Mans à la broche
Petits pois à l’Anglaise
Savarin aux fruits
Parfait au café
Fromage de Camanbert
Glaces aux framboises et au schmankerl
Essence de Tokay
ここで驚くのは、メニューがフランス語ということですが、料理もフランス料理なのです。当時はフランス語が外交共通語だったからということもありますが、晩餐会のディナーは文字だけでなく、内容もフランス料理でした。
ナポレオンが料理人を連れて回った時から、東へフランス料理が伝搬したとも言われています。
そしてワインの合わせ方は非常に面白い!シェリーで始めた後、エクルビスのボルドー風にマルゴーで合わせ、次にブンデスハイマー、ドイツ系白ワインをサーモンのオランデーズと牛フィレ肉に。次にシャンパンを鶉のファルシと鹿のフィレ肉と合わせ、五大シャトーのラフィットのヴィンテージとマンス産の鶏のブロッシュ串焼きと合わせます。最後にトカイワインのエッセンスというのは、おそらくセプシーのトカイワインのことでしょう。
これをどのくらいの時間をかけてどのくらいの量を召し上がられていたのかはわかりません。でも、メニューの中に現代との共通項や違いなども発見できて非常に興味深いですよね。
今後もこのシリーズで晩餐会メニューをご紹介していきたいと思います。お楽しみに。
日比生